「初志貫徹」

大谷 裕美子


私が介護の仕事を始めようとしたきっかけは,私の義母が一人暮らしの中認知症が悪化し,ヘルパーさんにお世話になった経験からです。
当時近所に住んでいた義母が,日を増すごとに様子が変わり,ことあるごとに私が対応していました。ですが,私も日中や夜も仕事などで多忙を極めていたため,義理の母の要求に全て対応することができなくなっていきました。
そんな中で,母の面倒を存分にできていない自責の念と,日頃の仕事などの気忙しさに正直私自身が崩壊寸前だったように思えます。
そんな中,介護職の方に義母のお世話をお願いするようになり,時間面でも体力面でも,何より気力の面でとても救われました。
とてもお優しいヘルパーさんとケアマネージャーさんで,義母のこと以外にも私たち家族のことまでご心配くださり「今までお仕事とお義母さまのお世話大変でしたね。これからは私たちが責任を持ってお義母さまのご支援を致しますので,どうぞご安心下さい」と言っていただいた時のあの安心感と,自分の今までを認めてもらえたという感動は未だに忘れられません。
また何か問題が発生した時でも,ヘルパーさん達は自分の家族の問題のように真摯に向き合って下さいました。
当時義母の支援をして下さった介護職の方々には本当に感謝してもしきれません。
なので,私は教員を辞めてからもいろいろな職業にも就きましたが,どうしてもあの時の御恩を何かの形でお返ししたく,今度は私自身が介護職としてどなたかのお役に立てればと思い,この介護職を選びました。
もちろん介護職以外の職業でも,人のお役に立っていることは重々承知ですが,実際に誰かに触れ合い,寄り添い…それを長い時間をかけてできる職業は介護職であると感じたからです。

また,介護職に就いて「人との接し方」についても新たに学んだことがありました。教員であった頃ももちろん生徒と触れ合い,関係性を育んできたつもりですが,教師という立場は生徒を「導き引っ張っていかなければならない」のです。おそらく,教育現場以外の対人関係でもその教員気質が抜けず,常にリーダーシップを取らなければと思っていました。
ですが,介護職はあくまでご利用者様の「自立支援」であり,こちらの思う様にご利用者様を導くのではないと知り,今までの対人への接し方や考え方がガラッと変わりました。

昨年9月から介護職に携わり,まだ数ヶ月しか経っていませんが,いろんなご利用者様やご家族様と接し,嬉しいことや悔しいこと,時には心が折れそうな時もありました。ですが,そんな時には現場の先輩や上司の方,一緒に実務者研修を学んだ皆さんや講師の方などにお話を聴いていただいたり,アドバイスをいただいたり,同じ苦労やそれを乗り越えてこられたお話を聞くにつれ,自分1人ではないことを実感でき,また次の日から頑張ることができました。
その節はお世話になった皆様,本当にありがとうございました。

最後に,私が目指す理想の介護者とは,もちろんご利用者様の自立支援をお手伝いするだけではなく,そのご利用者様のご家族にも寄り添い,共にご利用者様に向き合える人材であると思います。
そしてそのような介護者になれるよう,日々のご利用者様の支援に,心を込めて臨ませていただいております。

本当にこの介護職に携わるきっかけとして、この会社に感謝しております。
そしてこの介護職をさせていただいていることを大変誇りに感じております。

介護職を始めようとした時の「人のために働きたい」という気持ちを忘れずに,今後もご利用者様とご家族様に寄り添っていきたいと思います。


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