全ての必要な人に必要なケアを 〜コーディネーターチャレンジ編〜

全ての必要な人に必要なケアを 〜コーディネーターチャレンジ編〜の写真

吉田ひとみ



私が初めてコーディネーターとして担当させてもらったのは、今から5年近くも前のこと。
当時の私は、よこはま事業所所属で現在の神奈川千葉のBMの綾部さんやGMの中原さんと共に働かせてもらっていた。

特別養護老人ホームで介護経験を積んでいたが、色々な方のケアに入り重度訪問介護の難しさを肌で感じ、けれど出来ないことを少しずつ身につけて少しずつだが、成長出来ているのかなと感じている頃だったと思う。
それでも、絶対コーディネーターなんて無理だろう、向いていないと思ったりもしていた。

正直、なぜやってみようと思ったか明確な理由があるわけではない。
この先、自分がどこまで福祉の仕事に携わる身としてやっていけるのか、漠然とした思いだけはあった。
そんな私が初めてコーディネーターとして奮闘した話を読んで、少しでも興味を持ったり励みになればと思う。

ちょうど秋にサービス提供責任者としてよこはまを切り盛りしてくれていた綾部さんが、長期休暇を取ることになっており、そのタイミングで新しいご利用者様の担当をさせてもらうことになった。
初めての経験で右も左も分からず、本当に大変だった記憶しかない。

ご利用者様との顔合わせや契約、中原さんに同行していただいた。
どんな内容を聞いて良いのか、何を把握したら良いのかも分からない状況で、一つ一つ確認しながらでないと、何も出来なかった。

まず、初めて担当させていただくご利用者様は、女性の方でALS発症30年以上で医療的ケアも無い方だった。
コミュニケーションは可能なのだが、聞き取りづらい部分が多く、どうしても聞き返してしまったり聞き間違いをしてしまうことが多く、本当に不安しかなかった。
ケアの内容も、今まで体験したことのないトイレ介助の方法や、ポジショニング、私にやれるのかどうか既に自信喪失していた。

しかも、いざ夜勤が始まる時、他社さんの予定していたスタッフさんが入れなくなり急遽夜勤の枠が増えて、かなり慌てて中原さんに電話させてもらったりもした。
当時のよこはま事業所は、社員もいなかった為非常勤さんを見つけるしかなかったのだ。
でも中原さんのアドバイスもあり、非常勤さんが増えた曜日を出てくれることになり、なんとか収まった。

そして、いざ夜勤が始まると、真っ新な現場でサービスを安定させる難しさを感じた。
まず、自分自身が一番にその方のケアを覚えなければならないこと。
コミュニケーションの聞き取りも上手く行かず、申し訳ない気持ちや焦りから、余計に空回りして負担ばかりかけてしまった。
ご利用者様が泣いてしまい、真夜中にご家族を呼ばなくてはならない状況も何度かあった。
何の為に私たちが入っているのか…本当にその状況にさせてしまっていることが、こんなにも辛いなんて。

当時、サービスに行くことに気が重く感じてしまうことも正直あった。
それでも、責任持ってやり遂げたかった。
初めて持たせてもらえる担当で、やったことのないケアやご利用者様とコミュニケーションを取れることになるようで、自分がまた成長出来るのではないかと信じて。

思ったより時間はかからず、非常時さんに渡すことが出来た。
それは、何より一生懸命に取り組んでくれた2人のおかげだと思う。
私も、慣れてくるとあんなに聞き取りづらかったご利用者様の言葉が不思議と聞き取れるようになるのだ。

出来なかったことが出来る様になると自分自身も嬉しいし何より、ケアを出来る様になり更に非常時さんに落とせることで充実感でいっぱいだった。
担当者会議でも、土屋さんのケアが一番安心出来ると言われ、本当に嬉しくて泣きそうになった。
ケア中ご利用者様に怒られることもあったが、本当に頑張って良かった、チームとして誇らしく感じた。

誰しも初めては分からないことだらけ。
一通りの流れを掴めるまで時間はかかるかもしれないが、ケアに入りながらご利用者様とコミュニケーションも取れる、素敵なポジションだと思う。
少しでもサービス提供責任者というポジションに興味や関心を持ってもらいたい。

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