低酸素脳症後遺症の方の支援は少なくありません。
何らかの事故が原因です。
今回は、低酸素脳症後遺症の方の支援について、何名かの方から学んだことをお伝えしようと思います。
そのうちの一人の方は、意思疎通ができませんでした。
ですが、聞こえている・見えている・感じている。
そういった閉じ込められた環境に置かれていながらも、私たちと同じ感覚を持っているということは、尊厳の意識といった概念からだけでなく、その方の表情からも汲み取れます。
私自身、初めましての時は緊張しますし、
その緊張は相手に伝わっていると思います。
緊張しないわけにも行きませんので、適度な緊張を私自身も、相手にも感じていただきます。
ただ、初めましてでも、引継ぎがスタートしたならば、私はケアに集中します。
その瞬間から、利用者様本人の緊張は徐々に減っていくのがわかります。
私が、物品やケアに集中することで、お互いの注目から外れてくることがわかるからです。
または、「ケアに集中するのでご自分の時間をどうぞ。」とお伝えしたことにもなります。
本気でケアに向き合うことや、意識の切り替えは大切なことだなと思います。
さて、その方の事故状況や回復までの時間等も背景にあると思いますが、
気管切開されている方も多いようです。
もしくは、気管切開の跡がある方もいらっしゃいます。
呼吸が回復した証だと思い、そのような傷跡にも敬意を払います。
大変な道をたどってきた方々なのです。
注意すべきことがあります。
体温調整がうまくできない方が多いようです。
定期的な体温測定や、着衣・掛物調整で体温を管理します。
そばで見守ることができるヘルパーによって、深夜の室温低下時にご本人の環境保持ができることは、たったそれだけでも役に立っている。と見守りの大切さを感じます。
また、見守り時のご様子から見ても、安心できる任せられるヘルパーの時は、良眠されているように感じます。
てんかん発作がある方も多いようです。
いつもと違う様子に敏感になること、服薬の時間を守ること。(私たちが投薬することはできませんが、時間を守るための準備や片づけはできます)
もしもの緊急時の対応方法を学んでおくこと。
発作は準備があっても慌てます。
毎回支援に入るたびに、もしもの時はまず何をするべきか。
ケースバイケースの緊急対応方法を頭の中でシミュレーションしながら支援を続けます。
いつ意識が回復しても、健康な体がその人生を全うできるように
ご本人の機能維持にご尽力されるご家族に頭が下がります。
再生医療の発展を願ってやみません。