新生活とは:「住まいや勤め先など、生活環境の変化を踏まえて生活をはじめること。」
(wikipediaフリー百科事典より)
はじめまして。4月入社の奈良恵梨香と申します。
昨年20年間務めた小売業を退職、退職と同時に引っ越し、そしてご縁があり入社いたしました。まさに「新生活のはじまり」です。
私の父は、10年前脳梗塞で倒れて右半身不随となり、記憶障害や言語障害が残りました。
倒れてからの数年は本当に大変な事ばかりでしたが、沢山の介護職の皆様によるサポートや本人の努力があり、現在は失った機能は戻らなくとも介助程度で元気に暮らしています。父を遠して介護職を間近で見てきた私は、自分には最も縁遠い職業だと思っていたのですが、過去のマネージメント経験が活かせて介護スキルが習得できること、弊社の社風に惹かれ入社致しました。
もちろん介護の仕事は初めてです。
まだまだ不安な事ばかりで、初めて伺うご利用者様宅は毎回緊張してしまいます。
沢山の実践研修を受けても体位交換は苦戦の連続、不明な介護用語が盛りだくさん、こんな私に一体何ができるのか・・?と。
でも、私には2つの「魔法の言葉」があるのです。
「障害で会話が叶わない方だとしても、頭の中で考えること、思うことは私たちと全く同じなのです。」
「健常者の私たちには、残念ながら利用者様の気持ちを100%理解して差し上げられない。だからこそ精一杯寄り添い何ができるのか考え続けなければならないと思っています。」
これは入社時、尊敬する上司のお二人が語ってくださった話です。
私はこれを「魔法の言葉」名づけ、日々思い出しながら利用者様宅のドアを開けています。そしてそのドアを開けた先では、毎回ご利用者様やご家族様から沢山の事を学ばせていただいています。
例えば、脊髄損傷で体が動かなせないご利用者様が、口頭で体位交換のコツを私に教えてくださいます。また別のお宅では、医療的ケアの実地研修中、緊張して汗だくの私を見て、看護師のご家族様が笑いながら技術を教えてくださいました。他にも障害に対する考えや思いを聞かせていただける機会もあります。
この先きっと大変な事も多々待っていると思いますし、「役に立ちたい」などと烏滸がましいことは考えていませんが、今は技術含め自分に出来ることを一つずつ身に付け、「介護とはなにか」を自分なりに解釈できるまで追及し続けたいと思っています。
そして一人でも多くのご利用者様とご家族様を、私や私の父のように笑顔にしたいです。
毎日が新鮮と感動と感謝に溢れている私の「新生活」。
素敵な上司や先輩達に囲まれながら、これからも精一杯頑張ります。