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なぜ介護3 父について

なぜ介護3 父について

小林 亨



私が介護の世界に飛び込んだ理由は、父親を通じて疑問も持った事がきっかけだったのかもしれない。

私の父親は脊髄小脳変性症という難病を患っており、有料老人ホームで暮らしている。

施設の方も対応が良く、お世話になりっぱなしだが、当時の私には疑問に感じる点があった。

それは各フロアに対して利用者と従業員の数が合っていないんじゃないかという事。

もちろん父親に対して何かされたわけでもなく、この施設に不満はない。

ただ、単純に忙しそうにしている従業員を見て疑問しかなかった。

当時の私は某代理店の店舗を複数管理しており、平日や土日祝の人員管理や繁忙期や閑散期など状況に応じて人員の管理をしていた。

一人で何人対応してるんだろ。
それ絶対非効率でしょ。
こっちで何か鳴ってるよ。

などなど。

今思えば、少ない人員で本当に頑張ってくれてるんだな。と当たり前のように感じるがその時は考えもしなかった。

この疑問が、気になりだしたら行動してしまう私を福祉介護の世界に誘ったきっかけかもしれない。

実家に戻る事をきっかけに転職を決意したが、介護職に資格が必要という事を知らなかった私は、資格が無くても働け、全国展開しているという単純な理由で某リハビリ型デイサービスに入社する事ができた。

最初はリハビリのトレーナーとして従事し、所長に昇格。

ここで、あの時に感じた疑問を身をもって理解する事になる。

所長の私と相談員、トレーナー、看護師の4人で30人近くの相手をしなければいけない事だ。

ただ自分の業務をまっとうするだけなら、そこまで大変ではない。

少人数であればあるほど、大人数の対応は困難を極める。

もちろん送迎や店舗準備、片付けも全て自分たちで行い、時間道理にプログラムを行わなければいけない。

お昼は午前の方の送迎と午後の方の送迎の間に車の中で食べるのが当たり前。

30人で4人だから1人7人見れば大丈夫と思われがちだが、所長、相談員、看護師は別の業務がある。

つまりトレーナー一人で30人を見る事が当たり前の世界だった。

全員が自分の仕事以外の事を営業時間に行い、残業して自分の業務を行う。

どうやら少ない人員で多くの利用者を見る事が「正義」みたいな謎の風習に、知らない間に私も巻き込まれていたのだ。

少人数で大勢を見る。
どう考えても、非効率。
会社だからこそ、新規の顧客を獲得しなければ評価されない。
一人一人の負担だけが増える。

なんだこのループは。。。

あの時の感じた疑問をこの身で感じる事により私の中の福祉介護の概念は大きく変化した。

人の為になっている事自体は自分を強く鼓舞してくれたが、それだけで続けていける仕事では無いと感じた。

残業に給与面、人員の補充は退職した時だけ、全国展開しているだけに現場と経営層の距離が遠い為、改善は無い。

自分で始めた仕事を、自分以外の所が起因して仕事が嫌いになっていく人達を多く見てきた。

自分が幸せでなければ、相手を幸せにする事はできない。

本当に好きな人だけが取り組むべき仕事なのだろうか。

この仕事をビジネスとして捉え、社会に貢献し成果を得る。

私の中に福祉介護に対する想いが交錯する中で本当に福祉介護の世界で自分が取り組んでみたい軸みたいなものがはっきりした瞬間だった。

そして、今の会社に出会う事ができた。

今、私は重度訪問介護を経て2020年より関西の介護保険チームを担当する事になった。

この会社は本当に色々な事に挑戦させてくれるし、成長させてくれる。

また経営を担う方が定期的に面談をし、状況確認をしてくれる。

福祉介護の世界では珍しいビジネスとしての観点もあるからこそ、仕事だけでなく人の成長やビジョンなど明確に指摘してくれる。

だからこそ介護をビジネスと理解し、意見を尊重してくれる会社でこれからも私は介護を続けていく。