①数字に追われない ②抵抗がなかった ③「人を楽しませる」=人生を豊かにする

野村拓平


現在26歳の私はこの仕事を始めてからそろそろ10ヶ月経ちますが、周りの人から「なんで介護(業界)なんですか?」と数百回ほど聞かれました。これは介護業界の皆様によくあることかもしれません。
前の仕事ではそんなこと聞かれなかったし、いざなんで?と聞かれると「ここの求人良かったから」なんてストレート過ぎること言えないし、人によっては不信感を抱かれると思い、僕は答えを用意することにしました。

その時、軸になった考え方は以下の3つ。
①数字に追われない
②抵抗がなかった
③「人を楽しませる」=人生を豊かにする

①数字に追われないというのは、以前の仕事が販売員だったこともあり日々、数字を意識して仕事に取り組まなければなりませんでした。
どうやったら売れるのか?どうすれば買ってくれるのか?僕みたいな不器用な人間はそんなことを考えると本来のサービスとはなんなのか混乱してしまって目的を失います。つまり、お客様に喜んでもらうことから、自分の売り上げを達成するために目標がシフトしてしまうのです。
しばしば「介護も数字あるよ?」と言われますが、いやいや…数字に追いこまれた時の人間の醜さたるや…。スタッフ同士の客の取り合い、とかく理由をつけて高額商品への促し、納品を無理矢理にでも達成するために配送スタッフやメーカーなど他社への高圧的な態度…などなど挙げればキリがありません。
僕自身、別にお客様が欲しくもないであろう羽毛布団や雑貨とかを買いに来た人にいちいちオススメしてみたりさせられました(当然ですが1枚も売れませんでした)。今思えば見るに耐えませんね。
とまぁグチになってしまうのでこの辺で…。要はパフォーマンスを最大限発揮するのに数字ではない人間もいるのです。

②抵抗がなかったというのは、僕の姉が特養で働いていることもあり「姉ができるなら僕にもできる」と安直に思ったことが主な理由です。今すぐに特養で働けと言われても出来ませんが、実際に働いてみて思ったのは他人の排泄や入浴介助は思ったより苦痛ではなかったということでした。嗅ぎたくなければ嗅がなければ良いし、見たくなければみなくても良い。避けて通れる事ばかりではありませんが、無理にぶつかりにいくような問題もあまりないといった感じでしょうか。

③の“人を楽しませる”は僕の仕事における最重要のスローガンです。
自分が楽しんでいなければ人を楽しませる事は出来ません。その逆も然り。楽しいは波及すると思うんです。根拠はありませんが自信はあります。僕の及ぼした楽しいと思う感情が、この仕事に当てはめるならば、利用者の方々の動機付けや生きがいになれたらこれ以上嬉しいことはありません。
現在担当している現場では喋れない人がほとんどで、話せたとしても流暢にはできないといった方もいます。彼らが一生懸命紡ぎ出してくれた言葉を、初めのうちは全く分からないのが段々と「あぁ、こんな感じのこと伝えたいのか」となり、最後にはお互いの意思疎通ができる。これが初めて出来たときうれしさのあまり少し涙目になりながらご利用者様と話していたのを覚えています。たしかケアの内容について「ぼ・く・は・い・た・な・い(僕は痛くないからもう少ししっかり触っても大丈夫だよ)」と文字盤で言われました。むしろ僕の方がいたわって貰っていることに気づいたときは感動しました。それと同時にやはり人はコミュニケーションをとる生き物なんだなと実感しました。
その経験が楽しくて楽しくて。これからもたくさんの人とコミュニケーション取っていけたらどんなにいいだろうと。だから僕の仕事はこれからどんとん楽しくなっていくものだと信じております。

さて、長くなりましたが実際に「なんで介護なの?」と聞かれたら「楽しいから」では簡単過ぎますかね…?


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