介護のお仕事から学んだこと 思考停止しないように頭をフル回転させる

介護のお仕事から学んだこと 思考停止しないように頭をフル回転させる

朽木雄也



介護のお仕事に従事して学んだことですが、まずはじめに私は地域密着型特養や短期入所、従来型特養、グループホームなどの様々な形態の施設で業務に従事していきました。
私がその中で、モットーとしてきたものは「安心安全」です。どの施設もそれを謳い文句として、活動してきているかと思いますが、その実現は到底不可能です。
多くの入居者がいる中で、少ない人数の職員が認知症入居者を24h全員の安全を守るというのは、物理的に無理だからです。
私は、諦めが悪い人間です。無理だといわれる事に対して挑戦していく性分なので、100%といわずとも皆が考えたこともない工夫をこらすことで100%に近づける事は可能だと考えているからです。

そのために一番必要なのは、家族や医師・看護師・ケアマネなどその人に関わる関係各所の皆さんの情報です。その情報を基に入居者の性格や問題点を理解し、現状の環境を理解し、その人に合った個別支援をしていけば、「安心安全」は少なくとも実現可能です。
現に、事故報告書の枚数が一年前には60枚でていたものが、その年には10枚弱と減らすことができました。
この結果を基に学んだ事として、私が思うには諦めたらそこで終わりという事です。諦めずに自分たちができる事を最大限力を尽くし、思考停止しないように頭をフル回転させる事が不可能を可能に変えるんだと学びました。
考え方として、一方通行で物事を見るのではなく、様々な角度からのアプローチをし正解を導き出して行けば良い結果が生まれると思います。

今の重度訪問において同じことが言えるかと思います。問題がある利用者様に対して、皆が共有している情報に対して別の視点から物事を考え挑戦することで新しい発見や問題解決ができると思います。

綺麗ごとに対して否定する方もいるかと思いますが、その綺麗ごとを実現する為の努力を行う事は間違いなく自分の成長や自信に繋がります。
私はこの仕事から多くを学びました。その人の限られた人生の時間の中で私たちは時間をいただき関わっていきます。せっかく関わるのであれば雑よりも丁寧で最高のモノを提供していく。

それを意識していけば、充実した濃密な時間を過ごせると私は信じています。
偉そうなことのように聞こえますが、私はその志だけで今日まで活動をしています。


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