介護のお仕事から学んだこと 心の循環

梅山 真一郎



私は介護職に就く前は営業畑の人間で日々、自社の社員以外の方は全員「お客様」だという教えを受けてきました。顧客はもちろん取引先、ふらっと入った飲食店、友人、家族までが未来の「お客様」という認識をもち接しなさいということです。他人に接すると「お客様」と思えと半ば洗脳に近い教育を受けてきました(笑)

営業職から施設の介護職に30歳で転職して「お客様」から「利用者さん」と呼びなさいと言われました。最初この「利用者さん」という呼び方にいささか慣れず癖で「お客様」と何度呼んだことかわかりません。その度に小さな笑いが私と利用者さんの間に生まれました。そのうちに〇〇さんとお名前で呼ばせていただき、少しずつ信頼関係を築いてケアをさせていただいておりました。
営業職の時は常に利害関係が頭にあり、どうやったらこの人はうちの商品を買ってもらえるのか、1円でも売り上げ、利益を伸ばすには、契約をもらうまでは帰れないのでもらえそうな顧客の家に訪問して、朝から晩まで草むしり、庭の掃除をやったりもしました。しかし、介護職に就き「目の前の笑顔に尽くしなさい」と教えていただき利害関係がない様々な利用者さんに癒された日々を思い出します。

介護の仕事のやりがいはさまざまです。

まだまだ巷ではきつい、きたない、給料が安いの3Kやブラックな業界だという声をたくさんたくさん聞きますよね。実際まだ「介護」という仕事はそういうイメージが強いと思うしそうだと思います。ではなぜ皆さんは介護の道を選んだのでしょうか。私はよく面接で聞きます。介護職で働くというイメージは?と。すると未経験の方の多くが上記の3Kをおっしゃいます。そういう業界で働く意欲はおありですか?の問いに黙ってしまった人もいました。その度にこのイメージを変えたいし介護職の楽しさややりがいを伝えたい気持ちでいっぱいになります。

本題に戻すと私が介護職から学んだことは1つ目は心の循環です。当時、重度の認知症の方のケアばかりしておりその方たちが発する言葉の一つ一つや日頃は仏頂面の方が不意に魅せる笑顔にどれだけ心が癒されたかわかりません。自身の心が洗われていくのが分かりました。2つ目は深い対人関係です。介護や看護ほど人のバックボーンごと背負って関わる仕事は無いのかなと思います。考えてみてください。ある日「初めまして〇〇さん、私□□と申します。ではオムツ変えますね」と言ってお互いが初めましての状況で人の一番羞恥心に関わる排泄介助をしないといけない状況が多々あります。なので私はできるだけその人の人となりを知った上で介助に臨むことにしておりました。私が利用者さんの立場だったらそうしてほしいからです。 当時学んだことを忘れずに利用者さんの目線も持ちつつマネージメント業務をやっていきたいです。




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