今回コロナウィルスに関してコラムを提出することになった時に思い浮かんだのが下記の出来事でした。
先日、出掛ける用事があり、高速に乗り岩手県内の北へ向かいました。
途中、トイレ休憩でパーキングに立ち寄ったところ、関東ナンバーの車が停車しており、中から乳児を連れた家族が降りてきました。車のバックドアには大量の荷物が積んでおり、明らかに避難?してきたと思われる様子でした。
私は一瞬、何故岩手に入ってきたんだと嫌な気持ちになりました。この時に思い出したのが、コロナのパンデミックに伴い、ドイツの対フランス国境地域でのフランス人に対する攻撃が激化しているというニュースでした。
これは、震災の時もそうでしたが、福島から避難してきた子供たちが避難先でいわれのない非難を浴びるという事があり、今、同じようなことが世界で起きているそうです。
今回は自分の力ではどうにもならないような震災とは違い、自分の行動次第で防ぐことができる。それでも自宅待機ができない職種もあり、知らない間に罹ってしまう、若しくは知らない間に病原菌を持ち込んでしまうという事実。
岩手は今現在、コロナウィルスの陽性者が”0”名で、ネットなどでは、夏の全国高校野球大会では優勝したことのない県なのにコロナで優勝とか、自虐的に密集するところが無いとか、人が居ないとかいわれていますが、これは県民性ではないかと私は思います。
岩手県民―その姿、牛の如し。(岩手の人―高村光太郎)
ネットなどで検索すると、口数少ない頑固者の、典型的東北人といわれておりますが、実際に岩手県人は真面目で実直な人が他県より多いと思います。
先日も上司が福島出身の方なので、福島と比べて、自動車を運転する人が福島と違い(福島県民のある一部だと思いますが)優しいし、道路を横切ろうとしている人を見かけるとしっかり停まる、小学生も横断歩道を渡るときはお辞儀をすると。
今ヘルパーで様々なご家庭に訪問をしていますが、真面目過ぎて精神を病んでしまっている介護者も見受けられます。
娘さんの介護に真面目に取り組みストレスにより本人に暴言を吐いてしまう、手伝ってくれないご主人に愚痴を言い朝から険悪な雰囲気になってしまう、というようなご家庭をよく見かけます。
全てを岩手県人の真面目さに結び付けるのは暴力的ですが、それでもそういう方を見かけると、絶対この家庭にコロナウィルスを持ち込んじゃいけない、と思うのです。
私自身、普段も出不精で仕事以外は自宅に引きこもっている方ですが、このような現状になってからはますますひきこもるようになってしまいました。
私自身も、そして主人も持病があり、コロナウィルスに罹ってしまうと本当に死に直結してしまいます。
自宅で仕事ができる方はいいですが、私たちヘルパーは現場に行かないと仕事になりません。
腰をかがめて、覆いかぶさって体位変換(褥瘡ができないように身体の向きを変える)をしなければいけませんし、顔の近くまで近づき、痰の吸引や口腔ケアをしないといけません。
もちろん、ケアを受ける方は自分一人で外出もできない、ケアをするご家族も長時間の外出も出来ないので、コロナウィルスに罹ったとしたら、出入りをする私たちが持ち込んだ事になります。
そうならないよう、手がボロボロになるほど手洗いをしますし、歯磨きなども何度もします。
買い物も極力控え、人の少ない時間帯に行く。病気になったら病院に行かないといけないので、
罹らないように自己管理を普段よりしっかりしています。
毎日ニュースで全世界でコロナウィルスに罹り、何名亡くなったという報道がされています。
コロナウィルスに罹って亡くなると、ご遺体にも会えず、骨で帰って来るという事をテレビなどで知り、愕然としました。
それほど、大変な病原菌なのかと。
私事ですが、一人娘を交通事故で亡くしていますので、最後に骨でしか会えないなんて、悲しすぎるし、いつまでも死という事実を受け入れられないと思います。
ですので、絶対にコロナウィルスに罹ってはいけないし、罹るような行動は慎むべきだと思います。
こういう事を言うと非難を受けるかもしれませんが、お願いがあります。
みなさん、どうか岩手に来ないでください。
岩手は医師も少ないです。
高齢者も多いです。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者も多いです。
皆さん、一生懸命に今を生きています。
ヘルパーもまだまだ少ないです。
どうか、コロナウィルスに罹らないような行動をしてください。
岩手県の田舎に住む一人のヘルパーより
※高橋淑子プロフィールはこちらこちら