『夢とチャレンジ』
はじめまして。
安積宇宙と申します。
両親(石丸偉丈氏と安積遊歩氏)を追いかける形で、
私も今週から連載を始めることになりました。
家族そろって同じ場所でコラムを書くなんて
なかなかない経験なので、楽しんでいただけたらと思います。
自己紹介をしなくても、私の両親二人とも
私が生まれた頃や小さかった頃のエピソードを書いているので、
私の近況報告から、始めたいと思います。
実は、これを書いている今日は、社会福祉学生としての実習最終日で、
今週で 大学4年のコースを終えました。
私が社会福祉士を専攻したいと思ったのは、人と関われる仕事をしたいと思ったからです。
すでに読んで知っているかもしれませんが、
私は、本当にたくさんの人に囲まれて育ってきました。
母と同じ骨が弱いという体質で、人よりも助けが必要なことが多いことから
私が子育てされる中で、たくさんの人の手があるという環境は、とても大切なことでした。
生まれた時から、十代まで、深く関わってくれた人たちを数えたら
きっと五十人くらいになります。
そしてその人たちとは、未だに連絡を取り合っていて、
本当に、家族のような関係です。
そんな環境で育った私は、周りに頼れる人たちがいるということは、人生が楽になる秘訣だと感じてきました。
私の夢は、もっとたくさんの人がそんな関係をもてる世界に住むことです。
それを実現するのには、社会福祉士の仕事が近いと思って、この道を選ぶことにしました。
今、学業が終わりにたどり着いて、
ここからどう自分の思いを形にしていこうか模索中です。
私が今までバイトだけで、就職はしたことがなく、地域の学校に通ってきたということもあってか、インクルーシブ教育など、障害と教育については、いろいろなところで話を見聞きしてきました。ですが、障害を持った人たちの就職については、今まであまり話を聞いたことないということを、最近感じています。
大学は、ニュージーランドの大学に通っていて、
卒業後もしばらくは、こちらの国に残る予定です。
そのために、今は仕事探しをしているところですが、
その道のりにはいろいろな難しさがあります。
例えば、社会福祉士になるためには、多くの場合車の免許が 必要とされます。
私はまだ仮免しか持っていないので、まずは、免許という問題をクリアしなければいけません。
でも、ニュージーランドで仮免から正式な免許を取るには、自分で二年以上免許を持っている人から運転を習い、一年以上練習して、テストを受ける必要があります。
私は、身長が124cmなので、車を運転するためにはその車を改造しなくてはなりません。改造には、アクセルとブレーキをハンドルにつけるか、アクセルとブレーキを伸ばすことなど、 いくつかの選択肢があります。でも、留学生だと、改造をするための補助金も出ないし、今は自費で改造もなかなか厳しいところです。
でも、車の免許がなくても、できる仕事はあるので、
経験を積むために、いろいろ就活をし始めているところです。
もう一つの難しさは、仕事へ申し込むときにやってきます。
申し込みがオンラインの場合、健康状況、つまり、障害の有無を公開しなければ いけないときがあります。そこに何を書くかによって、次の段階まで進めるかが決まってしまう可能性があります。
書かなければいけないのは、仕事にどんな影響があるかどうかということを知らせる必要があるからです。
だから、自分でどんなことが難しくて、その難しさをどう乗り越えられるかというのを知っていれば、書かなくてもいいのではないかという人もいます。
この三ヶ月間、実習という形でしたが、初めてみっちり週四十時間働いてみて思ったのは、私の体は、作りが違うので、他の人たちと同じ働き方をするというのは、正直あまり好ましくないということでした。
私の場合、骨が弱いのでずっと同じ体勢で座っていると、背骨の側弯につながってしまいます。
また、ドアを開けるなど、小さなことが、体の負担につながることもあります。
でも、そういうところは、定期的にちょこっと横になる時間をとることや、
ドアを自分で開けないで、周りの人に手伝ってもらうなど
工夫のしようはたくさんありました。
その工夫を、すべて自分で考えなければならないのは、疲れます。
もっとみんなで一緒になって、どんな人も働きやすい環境というのを
作っていければいいなぁと、就職する前から理想が膨らんでいきます。
次回は引き続き、実習での経験について、お話したいと思います。
これから、どうぞよろしくお願いします◎
【略歴】
1996年石丸偉丈氏と安積遊歩氏の元に産まれる。
母の体の特徴を受け継ぎ、生まれつき骨が弱いという特徴を持つ。
ニュージーランドのオタゴ大学、社会福祉専攻、修了。現在、ニュージーランド在中。
共著に『多様性のレッスン 車いすに乗るピアカウンセラー母娘が答える47のQ&A』(ミツイパブリッシング)。
2019年7月、NHKハートネットTVに母である安積遊歩とともに出演。
安積宇宙と申します。
両親(石丸偉丈氏と安積遊歩氏)を追いかける形で、
私も今週から連載を始めることになりました。
家族そろって同じ場所でコラムを書くなんて
なかなかない経験なので、楽しんでいただけたらと思います。
自己紹介をしなくても、私の両親二人とも
私が生まれた頃や小さかった頃のエピソードを書いているので、
私の近況報告から、始めたいと思います。
実は、これを書いている今日は、社会福祉学生としての実習最終日で、
今週で 大学4年のコースを終えました。
私が社会福祉士を専攻したいと思ったのは、人と関われる仕事をしたいと思ったからです。
すでに読んで知っているかもしれませんが、
私は、本当にたくさんの人に囲まれて育ってきました。
母と同じ骨が弱いという体質で、人よりも助けが必要なことが多いことから
私が子育てされる中で、たくさんの人の手があるという環境は、とても大切なことでした。
生まれた時から、十代まで、深く関わってくれた人たちを数えたら
きっと五十人くらいになります。
そしてその人たちとは、未だに連絡を取り合っていて、
本当に、家族のような関係です。
そんな環境で育った私は、周りに頼れる人たちがいるということは、人生が楽になる秘訣だと感じてきました。
私の夢は、もっとたくさんの人がそんな関係をもてる世界に住むことです。
それを実現するのには、社会福祉士の仕事が近いと思って、この道を選ぶことにしました。
今、学業が終わりにたどり着いて、
ここからどう自分の思いを形にしていこうか模索中です。
私が今までバイトだけで、就職はしたことがなく、地域の学校に通ってきたということもあってか、インクルーシブ教育など、障害と教育については、いろいろなところで話を見聞きしてきました。ですが、障害を持った人たちの就職については、今まであまり話を聞いたことないということを、最近感じています。
大学は、ニュージーランドの大学に通っていて、
卒業後もしばらくは、こちらの国に残る予定です。
そのために、今は仕事探しをしているところですが、
その道のりにはいろいろな難しさがあります。
例えば、社会福祉士になるためには、多くの場合車の免許が 必要とされます。
私はまだ仮免しか持っていないので、まずは、免許という問題をクリアしなければいけません。
でも、ニュージーランドで仮免から正式な免許を取るには、自分で二年以上免許を持っている人から運転を習い、一年以上練習して、テストを受ける必要があります。
私は、身長が124cmなので、車を運転するためにはその車を改造しなくてはなりません。改造には、アクセルとブレーキをハンドルにつけるか、アクセルとブレーキを伸ばすことなど、 いくつかの選択肢があります。でも、留学生だと、改造をするための補助金も出ないし、今は自費で改造もなかなか厳しいところです。
でも、車の免許がなくても、できる仕事はあるので、
経験を積むために、いろいろ就活をし始めているところです。
もう一つの難しさは、仕事へ申し込むときにやってきます。
申し込みがオンラインの場合、健康状況、つまり、障害の有無を公開しなければ いけないときがあります。そこに何を書くかによって、次の段階まで進めるかが決まってしまう可能性があります。
書かなければいけないのは、仕事にどんな影響があるかどうかということを知らせる必要があるからです。
だから、自分でどんなことが難しくて、その難しさをどう乗り越えられるかというのを知っていれば、書かなくてもいいのではないかという人もいます。
この三ヶ月間、実習という形でしたが、初めてみっちり週四十時間働いてみて思ったのは、私の体は、作りが違うので、他の人たちと同じ働き方をするというのは、正直あまり好ましくないということでした。
私の場合、骨が弱いのでずっと同じ体勢で座っていると、背骨の側弯につながってしまいます。
また、ドアを開けるなど、小さなことが、体の負担につながることもあります。
でも、そういうところは、定期的にちょこっと横になる時間をとることや、
ドアを自分で開けないで、周りの人に手伝ってもらうなど
工夫のしようはたくさんありました。
その工夫を、すべて自分で考えなければならないのは、疲れます。
もっとみんなで一緒になって、どんな人も働きやすい環境というのを
作っていければいいなぁと、就職する前から理想が膨らんでいきます。
次回は引き続き、実習での経験について、お話したいと思います。
これから、どうぞよろしくお願いします◎
【略歴】
1996年石丸偉丈氏と安積遊歩氏の元に産まれる。
母の体の特徴を受け継ぎ、生まれつき骨が弱いという特徴を持つ。
ニュージーランドのオタゴ大学、社会福祉専攻、修了。現在、ニュージーランド在中。
共著に『多様性のレッスン 車いすに乗るピアカウンセラー母娘が答える47のQ&A』(ミツイパブリッシング)。
2019年7月、NHKハートネットTVに母である安積遊歩とともに出演。