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土屋人日記  「37seconds」

土屋人日記  「37seconds」  

佐藤飛美




先日「障害者のリアルに迫る」東大ゼミ(通称リアルゼミ)開催のイベント、映画「37seconds」上映会&トークセッションに参加させて頂きました。

先ずは映画の簡単なご紹介から!

【37seconds】
生まれた時に、たった37秒息をしていなかったことで、身体に障害を抱えてしまった主人公・貴田ユマのお話です。独り立ちをしたいという思いから、これまでの自分の世界から脱するため道を切り開いていきます。
ヒロインを演じたのは、出産時に身体に障害を負った佳山明さん。当初、女優の起用を検討したそうですが、健常者が障害者の役を演じることに強い疑問を抱いた監督の意向により、オーディションによって100人の候補から選ばれたそうです。


私は上映前、女性のセクシャルな部分を描いた作品なのだと思っていました。中でも、障害者のセクシュアリティについて論じられるとき、今回のように女性にフォーカスすることは珍しいなと感じていたのです。

ところが観終えて思うところ、決してそうではなく、ここでは「生き方」livingの「生」を表現しており、トークショーで登壇されていた福島智教授(先端研バリアフリー分野)も仰っておられましたが、障害者に限らず健常者とも共通した問題が描かれているのだと捉えることができました。障害がテーマの映画かもしれませんが、人間同士のお話というわけです。

「もし自分があの時こうだったら」
劇中にも出てくるフレーズですが、私達の生活の中にも、こんなシーンは嫌というほど溢れていることに気が付きます。
周りからは他人と比較され、自分ですら他者と比較し無意識に自身を追い込む。時には劣等感に苛まれ、いつしかコンプレックスに変わっていく…私達が「比較」とどう向き合っていくかを考えさせてくれる作品でした。

ドイツでは障害をひとつの個性として捉えているそうです。この一言に集約するには、まだまだ日本国内での考え方では追い付けていないように思います。
ですが、障害者であっても、また健常者であっても、体や心に障害や悩みを抱えている部分を必ずしも持っており、その中で誰ひとりとして健常者ではなく、そして誰ひとりとして障害者では無いのではないか。心の部分で人間は平等なのだという監督のメッセージに、心打たれました。


ここからは私個人の視点での感想です◎
ネタバレになってしまうので具体的な事はあえて書きませんが…

作品の中では苦しい親子関係も描かれており、私は自身の経験と重ね合わせて観てしまいました。
ユマの言動と、当時の私の行いがあまりにも酷似していたのです笑
あの時、私が母にかけた心配がいか程のものだったか。ユマの母と同じく私の母も、毎日涙して過ごしていたのだろうと思うと、.母に対し申し訳ない想いで上映中胸が痛みっぱなしでした。
それでもユマと同じく、あの時の私には必要な時間であり行いだったと今でも感じています。
とはいえ…
歳を重ね、自分も親となり、様々な「想い」を知りました。
劇中のユマが、自ら切り開いた新しい道でどんな人生を歩んでいくのか、私なりに思いを巡らせながら余韻に浸りたいと思います。

2/7より、全国の劇場にて絶賛公開中です。
皆さまも是非、お時間ございましたら劇場に足を運んでみて下さいね!


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