「ニューノーマル・ニュースタンダード」

松井 志織



中国で新種のウイルスが発見されたと騒がれてから、1年が経ちました。去年の1月はまだまだ街中でマスク姿の人は多くなかったと記憶していますが、今はマスク姿でなければ外を出歩くことすら難しくなりました。

こんなに感染対策をとっているのに、どうして感染拡大するんだと言われる方もいますが、街での様子を見ていると「やってやってないようなもの」だからなのかなと感じます。
手指消毒は手消毒、アルコールの量は不十分、手に刷り込んでいない、乾く前に何かを触る。マスクさえしていれば大丈夫なマスク絶対主義者は、咳やくしゃみをする時に飛沫が飛び散らないような配慮はされていなかったり。言い出したらキリがない位あるけれど、何とか考えて対策を取ろうとされている姿も見かけるものです。TVなどに出演されている専門家の方も原理原則を話すのではなく、具体的な対策に言及してくれるとありがたいのになぁと思う。そうしたら、感染の知識がない人でも対策が取れると思うんだけど。自分が取っている感染対策が正解か分からないから、不安なんですよね。
でも多分、専門家の方も具体的には分からないんだと思う。データを取った訳でもなく、実験をした訳でもないから、分からなくて言及できない。みんな手探り状態なのに、責任だけは問われるという、やりにくい世の中になってしまったと思う。

私はSNSもやっていないし、自分の感染対策が全て正しいかも分からないけれど、自身の持つ拙い知識を少しでも共有できればと、自分の家族や友達、そのまた家族や友達に広めてもらえるようにお願いしています。情報を欲しがっている人はきっといるはず、その方へ届くようにと願いながら、、、
自分の対策について簡単に例をあげると、利用者様宅へ入る前に自身の服や靴に次亜塩素酸ナトリウムを振り掛け、手指消毒してからチャイムを鳴らす。帰宅後は携帯も次亜塩素酸で拭き取る。公衆トイレの便座も次亜塩素酸で拭いてから使用する。お店に入る時出る時両方で手指消毒を行う等。細かいことはもっと行っていますが、ここで言える程効果があるのか分かりません。

ここまで対策するのは介護職に携わる者として、利用者様へ感染させない、自身も感染発症しないようにと考えるからでした。でも今は少し違ってきていて。
コロナではないけれど、最近身近な人が亡くなることが多かった。病院に入院してしまうと、お見舞いにも行けないし死に目にも会えない。せめて一目だけでも見られたら、一言だけでも挨拶ができたら、お世話になったのに伝えられない想いだけが積み重なっていく。亡くなることだけでも悲しいのに、「せめて」が出来ない。

自分の親の歳を考えると、元気でいてくれていることに、こんな状況になって今更感謝する毎日。コロナ対策って感染対策それ自体だけでなく、発症入院して自分も周りの人も悲しい想いをしないためでもあると感じました。自分の大切な人達が笑って過ごせるようにするコロナ対策。それが私の「ニューノーマル、ニュースタンダード」


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