覚悟はしていたものの介護の仕事は思っていた通り私には難しかった。利用者様の身体に触れるのが怖かった。最初はおそるおそる,でも却って不安を与えてしまうことが分かり自信がなくても思い切ってやってみる。上手くいった?
少し慣れてきたと思ったら想定していなかったヒヤリハット。自身の生活では何気なくやっていたことでも,身体が自由に動かせない利用者様にとっては多くの危険が潜んでいることを少しずつ理解していく。
ベッドのサイドレールをはめる。焦って大きな音をたててしまう。利用者様の不安そうな顔。物に対しても今まで自分がどれだけ無造作だったかを実感する。
やっと気付けた。自分の言葉のトーン,動きの質やリズムが相手に合わないことでどれだけストレスを与えてしまうかを。安心,安全に支援するためには今まで使っていなかった部分での想像力が必要だったのだ。これでようやく介護職としてのスタート地点に立つことができた気がする。
50歳を過ぎてから介護未経験で土屋訪問介護事業所に入社。お調子者の私は人に頼られると俄然モチベーションが上がる。反対に人をがっかりさせることが何より怖い。「利他」が実践できて初めて自己実現が可能なのだろうと思う。介護の世界に飛び込んだのも「人のためになる」ことをダイレクトに実感できる仕事がしたいという思いからだ。
前職に比べて休日は2倍以上,サービス残業はない。私生活は充実し様々なことを考える余裕ができた。でも仕事では入社1年が過ぎようとしている今でも「人のため」という域にはまだまだ達しておらず自分のことで精一杯だ。
介護職2年目は「人のためになる」ことを実感できるようになりたい。今はまだ利用者様1人ひとりのためでいい。でもいつかは社会全体に貢献できている実感を持てるようになれればと思う。土屋訪問介護事業所にはそれが実現できるポテンシャルがあるのだから。