「重度訪問介護に従事する理由」

松村 歩実


2023年10月に入社しました松村です。
お一人お一人が幸せに人生を歩むためのお手伝いができればと思います。
私の介護人生のはじまりはたった1人の方の介護をするため
当時の恋人を残し福岡から単身和歌山へ移り住みAlSの方の
お世話をすることから始まります。

縁もゆかりもない未踏の地
住む家を探し移動手段を確保し生活を整えて。
ここまでして上手くいかなかったらどうするんだという不安は全くありませんでした。

何かを変えたい
何かが変わるはずだ

その根拠のない自信だけが私を動かしていました。

重訪の資格のみ
21歳が全介助のAlSの方の介護

最初は、カフって何?吸引圧?の状態でした。
8畳の部屋の中、奥様と3人起き上がり介助の姿勢から教えていただき
.Pトイレに移乗させ文字盤でああでもないこうでもないと意思疎通を繰り返しながら
座り直しをさせ何とか終わりまでもっていきました。

他にも毎夜3時の陰洗は初心者にはきつく感じました。

文字盤も最初は読み取りが甘く、一つの内容を伝えるのに深夜で2時間かかったりと2人とも大変な思いをしました。

しかし全てのケアを終えスヤスヤと眠る顔を見ると
ひとまずやるべき事はやったと安堵と達成感でいっぱいになりました。

利用者さんは、時には皮肉を言いながらも文字盤とパソコンしか手段がないなか
いつも一生懸命に教えてくださいました。
「明日も待ってるよ」と初めて言われた時今まで追い求めていた理想より
この瞬間を欲していたんだと感慨深い気持ちになりました。

これから様々な利用者様に出会います。
利用者様は大切な尊い日々の中で私達を受け入れてくださいます。
時にはキツくあたられるかもしれません。

ケアの内容が必要以上に複雑かもしれません。

けれど忘れないようにしたいのは
心の根底には「幸せに暮らしたい」というシンプルな答えを誰でも持ち合わせているということです。

一度の失敗で信用しなくなる方もいらっしゃるかもしれません

だからといって落ち込む必要はなくそれは誰のせいでもありません。
例えばそれはできないことが増えていく葛藤なのかもしれません。
感情が少々不安定な時期なのかもしれません。
それを受け入れることも含め介護なのかもしれないと思っています。
そしてその後どうするのか決めるのはご本人です。

意思疎通が難しくなっても心の中に確かに持っている「想い」を私達は文字盤を使い非言語を使いどうにかしてくみ取ります。

その根性ある精神が私の人生と通ずるものがあります。

諦めなければ道は開け利用者さんやご家族は必ず見てくれています。
意思疎通に何時間もかけて答えに辿り着かなくてもそれをしたことに意味があります。

重度訪問介護以上にここまでお一人に密着し寄り添う仕事はないのかもしれないと思っています。

これから辛いことに直面しても決して1人ではなく利用者さんと一緒に歩んでいるんだということを
思い出しどこまでも進んでいきたいなと思います。

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