命の理由~「介護」という仕事をみつけました~

命の理由~「介護」という仕事をみつけました~

石本文人



子供の頃は、「将来は〇〇になりたい。」そんな夢をもって、それを目標にして日々生きていた。
しかし大人になって、生活の為、家族の為に働く日々を過ごし、いつの間にかふっと、「生き甲斐」を失ったりもします。

実は私は「多発性硬化症」という特定疾患を持病として、一生共に生きてます。

発病したのは13才の時でした。
学校でひきつけを起こしたのが始まりです。3日間の検査入院を総合病院で受けましたが、原因がわからず、本人は元気だったので、そのまま通常の生活を過ごしていたら、再び学校でひきつけを起こし、そのまま検査を受けた病院に入院しました。

2度目のひきつけの後は四肢が麻痺、失語、目が見えないなど大変でした。最悪な時は一週間眠った状態だったそうです。

およそ3ヵ月の入院生活中に、様々な検査を受けたが病がわからず、大学病院に入院生活が移りやっと原因が判明しました。

大学病院で1ヵ月程の入院生活を過ごし、退院する事はでき、普通の生活を再び送る事ができるようになれました。

学校生活は幸い留年は免れましたが、勉強はまったくわからず、病気も理由にイジメを受けました。

「お前なんて死ね」、「亡霊」などと言われ、とても辛かった時期でした。

そんな病とも11年の通院により、医師から「ずいぶんと安定した期間を長く過ごしたから、通院は止めてもいい。」と言われました。しかし「決して治る病ではないから。」「元気に体を動かせる事がめずらしい病なんだから。」「お前は若かったからここまでこれたんだ。」「次になにかあった時は覚悟しろ。」なんて言われた事を覚えているし、同じ病で苦労している人をTVで観た事もあります。

現在までに病の悪い影響が人生において障害となり、道を諦めた事もあります。「何故俺はこんな辛い思いをしなければならないんだ。」と、「いっそ死んじまいたい。」なんて思ったりもしました。

そんな私でも、楽しい思いもしてきました。「生きててよかった。」って心から思える事が。

結婚する事もでき、子供も生まれ、幸せです。けど、病の不安はいつも着いてきます。

けれど、そんな私にも自分が存在する理由が見つかったんです。こんな私でも、もしかすると必要としてくれる人が、家族以外にも居るかもしれない。それだけで生きていく理由のひとつになるんです。

それが「介護」という仕事であり、ESLで働く事が私の命の理由なんです。

こんな私でも誰かのために役立てる。誰かが私を必要としてくれる。それが私のパワーになるのです。


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