重度訪問介護への理解

木下 有由


在宅のご利用者のもとへ必要なケアを届けるそんな安易な考えで転職して参りましたが、研修を受けるに連れ、かなり重要かつ命に関わるそんな責任を担うものだと感じました。
ただ、だからこそ今その担い手が必要であり重度訪問介護への理解と自分に出来る取り組みがあるのではと思います。
正直私も医療的ケアの講義を聞いて「本当に自分に出来るのか?」「何かあったらどうしよう?」とただただ不安でしかありませんでした。
しかし、そのように思う方が入り口の時点で重度訪問介護ヘルパーの道を断念してしまったら今後益々人材不足を招くばかり。まず、自分がその思いを胸に同じ思いを持つ方に「自分にも出来た!」と伝える事をとりあえずの目標にして行きたいと思います。

医療的ケアも、もちろん大切で確実に行わなくてはいけない事ですが、利用者の方の心のケアも同じくらい大切な事かと思います。
どんな仕事でもそうかもしれませんが、慣れてきたら、つい事務的に支援を繰り返してしまう、そんなヘルパーにはなりたくありません。接しているの人です。
常に相手の立場になって物事を考え、今、何が一番して欲しいのか、苦しくないのか、自分のケアは利用者の方にとって満足いくものなのか、本当の意味で「痒い所に手が届く」そんな支援をして行きたいです。

まだまだこの世の中、障害を持つ方への偏見や差別はあると思います。
車椅子の方がバスに乗ろうとしていた時、バスが来て運転手の方がスロープを準備していた時、そのバスに乗っていた乗客の方の顔を見たら極一部の方でしたが怪訝そうな顔つきでその一部始終を見ているのに気付きました。
確かに、朝の通勤時間帯でただでさえ急いでいる、さらにバスは予定時刻より10分弱遅れている状態で車椅子の乗車介助でさらに遅れている。もしかしたら、自分も福祉の仕事に携わっていなければ同じような顔をしたかもしれません。
ただ、福祉の仕事をしていなくても世の中に福祉にふれる機会がもっと多くあれば理解は出来るはずです。
もっと言えば、自分がその立場(車椅子が必要な生活)になったと考えたら?自分の仲間や親族や大切な人がその立場で周囲から怪訝そうな顔で見られていたら?ただ、バスに乗ろうとしているだけで…。
重度訪問介護を含め福祉について全てを理解するのは当事者やそのご家族でない限り不可能だとは思います。
ただ、一人一人の少しの優しさと見守る余裕がケアを必要としている方への気持ちを楽にしてあげる事が出来るのだと感じます。
肢体不自由な方だって花見もしたけりゃお祭りにだって行きたいかもしれない。
その自由を奪うような態度は誰もが考えなくてはいけない世の中にならなくてはいつまでだっても何もかわらない気が致します。

ユースタイルに入社してまず、自分に出来ること、やるべき事をやって「こんな自分にだって出来るんだ」と言う事をより多くの人に配信する事が自分の役目のような気が致します。
最後に、介護に携わる全ての先輩方、利用者の方、またそのご家族の意見や思いを素直に受け止めて重度訪問介護に向き合って行きたいと思います。


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