タイトルネームを聞いたとき、「〇〇〇と愉快な仲間たち」の言葉が思い浮かんで、非常事態宣言とはまるで真逆な方向に、意識を引き上げられるイメージでした。
私は、デイサービスの施設責任者として、この度の非常事態宣言に向き合うことになりました。もちろん組織の一員として、会社から示される方向を受け入れ、現場にどのように対処してゆくか、具体的なアプローチを模索し、発信し続けることが、私のルーティンであると思っています。しかしながら感染症という見えない敵を前にすると、不安や不信感に駆られて、いつしかネガティブキャンペーンに陥ってしまうものです。
ご利用者様の安全、スタッフの安全、クラスターのリスクを考えれば、デイサービスは閉所することが最善であり、次いで、ご利用者様の利用制限による受け入れ人数の縮小。具体的には、独居の方の受け入れを主として、ご家族で見守りができる場合は、ご自宅にて過ごしていただけるようにご案内し、50%の受け入れ自粛する。勿論、新規受け入れは当面見送り。他社事業所では既にその方向に動いています。
「会社からの指示は」「事業所として危機管理をどうするのか」「このまま開所し続けるのか」等々、スタッフの間でも不安や不信から様々な声があがるのも当然なことです。
私はこの半年間、未熟ながら事業所のマネジメントに携わり、気づかせていただいたことがあります。それは、私がお預かりするデイサービスの利用者様は、複数の事業所を回り回って、受け入れられず、ようやく、この施設に辿り着いた方で占めていることです。やっとの思いで自分の居場所を見つけたご利用者様、ご家族様にとって、もし閉所や利用制限してしまえば、再び行き場を失ってしまい、新たな行き場を探して、たらい回し状態になるかもしれません。私は、そのようにご利用者様、ご家族様が孤立してしまうことを願いません。
わが社の理念は、むしろ孤立している方へのアプローチ、介護難民の救済こそが使命であると信じています。
今、私にできることは、感染症の発生源にならないように危機管理を行うと同時に、ご利用を願われる方に安心して通っていただける受け皿として、デイサービスを開所し続けることです。
といっても、思いを共にするスタッフの協力なくして、受け入れは出来ません。リスクを承知の上で、立ち上がってくださるスタッフ、そして、その家族の安全を確保することも、私の重要な役割であると痛感しております。
非常事態宣言の緊張感の中にあっても、レクリエーションを楽しんでいるご利用者様の笑顔を見ていると、まさに「〇〇〇と愉快な仲間たち」のネーミングが似合っていると思う昨今です。一日も早い事態の収束がおとずれることを祈ります。
※山口裕幸プロフィールはこちらこちら